二〇〇四年に公開された、イノベーションが競争力を高めることを謳った「パルミサーノ・レポート」が日本でも話題になっている。しかし、旧くて新しい課題であるイノベーションは「言うは易し、行うは難し」である。それは、イノベーションは計画して必ず成し遂げられるものではないからだ。IBMではイノベーションを企業のあらゆるところで推進するため、新しい価値観に「私たち、そして世界に価値あるイノベーション」を掲げた。ガースナー改革から社内に浸透したイノベーションへの意識が、パルミサーノ改革で新しい価値観としてIBMのDNAとして組み込まれたのだ。