米国労働者の苦境
上がらない賃金と生活費の高騰に加え、仕事のシフトの乱れも常態化してきたことにより、米国の多くの労働者がやりくりに追い詰められている。通常の支払いはできても、予定外の出費となると少額でも対応できない。
問題の一端は、大半の米国人労働者の給料支払いが隔週であるうえ、給与小切手を現金化するのに長ければ1週間かかるため、報酬を手にするのにさらに待たなければならないことにある。加えて、多くの労働者は、標準的市場レートの借り入れができるクレジットスコアに達していない。
そのため、帳尻合わせや予定外の支払いのために、ペイデイローン(給料日に返済する短期融資)、自動車のタイトルローン(車の所有権を担保にした短期融資)、銀行当座借越に頼ることもしばしばだ。これらのローンは高金利で、彼らはいっそう経済的破綻に近づくおそれがある。目下のパンデミックによるリセッションのような経済低迷期には、これらのサービスへの依存度が高まるばかりだ。