R&Dへの投資水準は国ごとに大きく異なる。従来の研究では、これは経済制度や文化的価値観の違いなどとして説明されてきた。しかし、新しい研究は、話す言語が異なると考え方も異なるという事実に基づき、言語もまた一役買っていることを明らかにした。
研究者たちは、1996年から2013年の期間の52カ国における各国のR&D投資に関する国連データを入手した。そのうちの15カ国では、未来時指示(future-time reference)が弱く、明確な未来時制を持たない言語が話されている。ドイツ語、日本語、北京語などである。研究者たちの分析では、未来時指示が弱いとR&D費への投資がはるかに大きくなり、特許の取得も多いことがわかった。
未来時指示の弱い言語では、強い言語と比較して未来時への言及が曖昧であり、未来がより近く感じられると研究者たちは説明する。これにより未来の報酬の現在価値は大きく見え、投資水準が高くなるという。