ファミリービジネスは
脆弱か、強靭か
メディアに描かれたイメージがつきまとうため、ファミリービジネスは権力闘争や媚びへつらい、裏切りの温床と見なされやすい。こうした先入観は会社、一族、あるいはその両者を傷付けかねない。たとえば、マードック家とニューズ・コーポレーション、レッドストーン家とナショナル・アミューズメントなど、枚挙にいとまがないだろう。
だが、ヘッドラインを飾るような報道があっても、多くのファミリービジネスは何十年、時には何百年もの間、繁栄を続けている。たとえば、イタリアのワイン醸造業者、マルケージ・アンティノリ(1385年創業)は創業からファミリービジネスを続けており、600年以上も繁栄を誇っている。アルコール飲料業界に限っても、日本の月桂冠(1637年創業)、英国のベリー・ブラザーズ&ラッド(1698年創業)、メキシコのホセ・クエルボ(1795年創業)など、同様の例は世界中に見ることができる。
はたして、ファミリービジネスは内部崩壊を起こしやすいのだろうか。それとも、会社として永続しやすいのだろうか。