則武氏の講演に続いて行われた早稲田大学大学院・ビジネススクールの入山章栄教授との対談では、DX推進過程で立ちはだかる根深い課題について、「経路依存性」をキーワードとして、議論が進んだ。

 経路依存性とは、あるプロセスにおいて、初期の出来事がその後の出来事に大きな影響を与える状況を指すが、大企業は経路依存性の上に成り立っているので、デジタル変革の発展過程では、企業としての意思決定の進め方やその時間軸、情報システム、組織・人事など複雑に絡み合った要因が変革を停滞させるという点で、両者の意見は一致した。

 そして、入山教授は、今後多くの企業がDXに本腰を入れる中、必ず同様の課題に直面するだろうとの見解を示し、その課題を克服するポイントとして則武氏が「企業戦略を実現するためにデジタルを使い、その結果としてDXが起きる。当たり前でもあるこの関係性を念頭に、戦略とDXの交点を探ることが重要です」と提言し、対談を終えた。

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