米国の消費者需要は近年、大規模なナショナルブランドから、小規模なプライベートブランドの食品へとシフトしていた。新型コロナウイルスのパンデミック下では、その傾向が逆転している。感染症に対する根深い感情的な反応がこの変化を推し進めていると、新たな研究が示唆している。

 人々は感染症に嫌悪感を抱き、回避することが長年にわたる多くの研究で示されている。本能的に感染症の脅威から遠ざかりたいと考え、その衝動が買い物や消費を減らす。しかし、2つの大規模な実証分析と4つの実験で、別の感情である「不安」もまた活性化され、消費パターンへの影響を媒介していることが明らかになった。

 米国疾病対策センター(CDC)、グーグル・フルー・トレンド、ニールセンの消費者パネルから得た2009~2014年のデータを研究者らが分析したところ、人々は居住する州でインフルエンザが流行すると、商品の購入が増え、馴染みのある商品を好んだ。過去に特定のブランドを好む傾向があった家庭は、インフルエンザの流行時にはその傾向がより顕著になった。