就職の面接や財務的支援を求める場合など、重要な結果を伴う初対面の場では、よい印象を与えたいと思う相手の興味や期待に応えようとすることが多い。新たな研究によると、そうした行為はチャンスを広げるのではなく、損なうという。
研究者らは実地実験で、資金調達を競う起業家166人のプレゼンテーションのスタイルとその結果を調査した。起業家らには事業のプレゼン後、自分のありのままを出せたと感じた程度と、審査員の期待に応えようとした程度を示してもらった。すると、審査員の期待に応えようとした人は、そうでない人よりも資金を獲得できる可能性がはるかに低かった。
その後に行った模擬面接の実験でも、同様のパターンが見られた。「自分らしくある」ように指示された参加者は、面接官の期待に合わせて回答するよう指示された参加者よりも評価が高かった。参加者への質問で、この説明がつき、追加のオンライン実験で補強された。研究者らは「人の好みを予想し、満たそうとすると(中略)不安が増すため、迎合することはパフォーマンスに悪影響を及ぼす」と述べている。