雇用の海外流出であるという議論がいまだ繰り返されているが、オフショアリングは単なるコスト削減策ではない。グローバル戦略のなかで再定義されなければならないものだ。そのためには、まずグローバリゼーションの可能性を測定する必要がある。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは、4つの発展途上国、すなわち中国、インド、ブラジル、メキシコを対象に、5つの産業、自動車、デジタル家電、食品小売り、リテール・バンキング、IT/BPOのグローバリゼーションの進行度合いについて分析した。その結果によれば、まだまだグローバリゼーションを進める余地があり、騒がれているほどにオフショアリングは進んでいないことが判明した。グローバリゼーションは言葉ほどに実態は進んでいないのである。