リーダーが押さえるべき
2つのフレームワーク

 深刻な状況に陥ると、企業はしばしば死に物狂いになる。それゆえ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックやそれに伴う経済危機の中、プロフェッショナル・サービス・ファーム(PSF)が生き残りを賭けて、あらゆる種類のビジネスに手を出そうとしているのも不思議ではない。

 筆者らはそうした事例を何度も目にしてきた。コンサルティングファーム、法律事務所、会計事務所などが、かつては検討しようともしなかったサービスを提供し、そうしたクライアントと契約を結ぶのだ。このようにして売上げを増やそうとするアプローチは危険である。

 PSFを構成するプラクティスが、戦略ポジショニングやクライアントミックスにおいて拡散していると、いずれ市場プロファイルが弱まり、内部対立が生じ、将来の方向性に関するリーダーシップ間の意見が衝突する。これとは反対に、ポジショニングやクライアント・ポートフォリオの面で、確固たるプラクティスがあれば、その会社は部分の総和以上に強い存在となる。