『孫子』は2500年前の兵法書でありながら、古今東西のリーダーたちに読み継がれてきた。単に兵書の枠を超え、利害渦巻く世界を生きるための経世の書として有用だからである。戦いの真の目的を徹底的に追求していくその論理的思考は、己(自社)、彼(競合他社)、天(事業環境)、地(顧客)を知り、戦略と計画づくり、組織の統率と管理、リーダーシップのあり方、経済原則など現代の企業経営の要諦そのものである。本稿では、日清食品、新日本製鐵などの事業戦略を例に、戦略、戦術、情報、組織とリーダーシップという4つの経営的視点による思考のフレームワークを提示する。
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