お金や生き方の選択、人間関係など、人に不快感を与えそうな話題は避けてしまいがちだ。しかし、この注意深さは本当に必要なのだろうか。それとも、会話の相手は私たちが思うよりも我慢強いだろうか。
5つの実験で、人々はデリケートな質問をすることによる対人コストを過大評価し、有益な情報を得られていない可能性があることがわかった。最初の実験では、被験者360人を2人1組に分け、一人が相手に質問する。質問はリストから5つ選んでもらった。デリケートな(浮気をしたことがありますか。給料はいくらですか)質問をした人もいれば、差し障りのない(朝型ですか。どんなルートで通勤していますか)質問をした人、両方が混在している人もいた。
会話の後、回答者は心地よさのレベルや質問者の印象を伝え、質問者は回答者がどのように感じ、自分がどのような印象を与えたと思うかを報告した。結果、質問者はデリケートな質問に対する回答者の不快感を過大評価し、自分の好感度を過小評価していた。両方のタイプの質問が混在していた人は、デリケートな質問よりも差し障りのない質問を多く選び、また4割はデリケートな質問を一つだけするか、まったくしなかった。