住友商事
常務執行役員
メディア・デジタル事業部門長補佐
デジタル事業本部長 兼 DXセンター長

芳賀 敏BIN HAGA

1986年住友商事入社、豪州・英国に駐在し、自動車小売会社のM&Aや事業再生を担った後、船舶事業部長。欧州住友商事社長、経営企画部長を経て2020年より現職、DXセンター長として住友商事グループのDXの推進、CVC活動およびコーポレートITに従事。

山田 DXを支えるテクノロジーはさらに進化し、DXで解決すべき課題もビジネスの現場から社会レベルの課題へと広がっています。御社におけるDXのスコープも変わってきていますか。

芳賀 中期経営計画「SHIFT2023」では、2021年度からの3カ年をDXによる事業創造フェーズと位置づけ、「次世代エネルギー」「社会インフラ」「リテイル・コンシューマー」「ヘルスケア」「農業」の5つを次世代成長戦略テーマとしました。

 産業、事業軸でのDXに取り組み、事業変革をいっそう加速させるとともに、戦略テーマ軸での事業創造を強化し、住友商事グループ全体のトランスフォーメーションを進めます。

 

 

 

業界の枠を超えた知見と先端デジタル技術を
掛け合わせる

山田 コア事業での提供価値を向上させると同時に、たとえばSDGs(持続可能な開発計画)などの社会課題を解決することで、新たな企業価値と社会価値を創出していくステージへと移ってきたということですね。DXセンターが果たすべき役割や能力も進化が求められるのではありませんか。

アビームコンサルティング
代表取締役副社長

山田貴博TAKAHIRO YAMADA

外資系コンサルティング会社を経て、2003年にアビームコンサルティング入社。総合商社・金融・通信・エネルギー・運輸を中心に、戦略から業務改革、ERP導入まで幅広いコンサルティングサービスを提供。現在、代表取締役副社長COO。

芳賀 その通りです。DXセンターは、DXコンサルティング、コーポレートITのほか、DX技術専門会社であるInsight Edge、データマーケティングのSC Digital Media、そしてイスラエル、米国、欧州、中国に拠点を持つコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も内包しています。

 現場での課題抽出からDX戦略の立案、デジタル技術の実装までを一貫して支援できる総合力をこれまで以上に発揮しつつ、グループIT企業のSCSK、アビームコンサルティングなどの外部パートナー、そして先端技術・サービスを持つスタートアップなどとのオープンなコラボレーションをもっと進めて、DXプロジェクトのクオリティとリターンを高めていきます。

 そのためにいま取り組んでいることの一つが、DXセンターのメンバーが事業会社の現場にもう一度深く入り込んで、グループ全体での価値創出という観点からあらためて課題を洗い出し、DXによってどれだけ価値を高められるのか、そのためにどれだけの投資が必要なのかを具体的な計画に落とし込み、各事業会社の経営陣に提案、実行していく活動です。