業績に基づく株式報酬は役員報酬の重要な部分を占めており、S&P1500では、業績確定型の株式報酬(performance-vested stock awards: PVSA)が最も多く採用されている。PVSAの契約において、CEOが受け取る株式数は一定期間の企業業績によって決まり、通常、支給株式の下限と上限、その中間の目標額が設定されている。

 企業の会計報告では通常、目標額のみが開示されるため、外部の人間が支給額を評価することは困難だ。その他の情報は公開されているが、多くの情報源の中に散らばっていたり、形式が標準的でなかったり、細かな事項の中に埋もれていたりする。

 ある研究者が、2010~2014年にS&P500が付与したPVSAについて、多数の情報源から綿密にデータを収集した。その分析によると、企業の業績が契約で定められた下限と上限のレベルの間に収まっている、つまりCEOが業績を上げようとする意欲を持つ範囲であったケースは75%で、PVSAは効果的な手段であることが示された。