優れたリーダーシップには「聞く力」が不可欠である。昨今、そのことを示す研究が続々と発表されている。それなのに、なぜ、聞くことに秀でたリーダーがこれほど少ないのだろうか。

 多くのリーダーが、人と話をする時、主導権を握ろうとしたり、話を都合よく導こうとしたりする。話しすぎたり、自説の擁護や反論のために何を言うかを気にしたりしていることも多い。

 あるいは、拙速に反応したり、ほかのことに気を散らしたり、相手の話を聞かなかったりもする。常に競争モードだったり、メールやメッセージのやり取りをしながら話したり、強いエゴのせいで相手の話に耳を傾けることができないという傾向もうかがえる。