古いマネジメント教義を捨てよ
組織は戦略に従う。そしてシステムが組織を支える。この2つほど欧米のビジネス思想に深く浸透した格言はない。これらは今日、最大級の企業の成り立ちに影響を及ぼすばかりか、企業のトップマネジャーの果たす役割をも左右している。
ところが、これらの格言やそこから派生したマネジメントの教義は、もはや適切ではない。シニアマネジャーが果たすべきとされた仕事はいまや不要である。昨今の大企業のシニアマネジャーは、戦略、組織、システムに留まらず、パーパス、プロセス、人材を土台とした枠組みへと移行しなくてはならない。
大多数のシニアマネジャーはいまなお、1920年代に生まれた概念をもとに自分たちの役割を見極めている。20年代といえば、ゼネラルモーターズ(GM)のアルフレッド・スローンや同時代の数人が、分権化という新しい戦略を考案していた頃である。これらの先駆者たちは、多角化は事業部制の恩恵にあずかり、緻密に練られたプランニングとコントロールの仕組みがそのような組織を支えるのだと気づいた。