デジタル化が進む中国小売業

 中国の小売市場は大規模(2020年に約5兆ドル)かつ急成長中で、デジタル化が非常に進んでいる。パンデミックにより、どの小売企業にとってもデジタルが戦略上の優先課題になったことを考えれば、『エコノミスト』誌が2021年初号で「なぜあらゆる場所の小売業者が中国に目を向けるべきなのか」と題する特集記事を組んだ理由が難なくわかる。

 中国のオンライン販売は過去7年間で毎年約25%伸び、2020年に約1.9兆ドルに達し、小売り全体の約25%から50%を占めるようになった(比較すると、米国は10%から20%)。そうした売上げの90%以上がモバイルデバイス経由だ(米国は50%未満)。

 したがって、中国の企業や個人が動画マーケティング、ソーシャルコマース、コミュニティリテール、RaaS(小売りのサービス化)、その他のさまざまなデジタルチャネルの開発でリードしてきたのは驚くまでもない。多種多様なサービスやコンテンツを利用できるようにして、消費者にオールインワンの体験を届けるスーパーアプリもそうしたチャネルの一つだ。