我々は、程度の差こそあれ、金銭欲から逃れることができない。心理学では、金銭欲を生来のものか、環境がもたらしたものかあるいは遺伝的なものなのか、その解釈は分かれる。また生物学は、優れた種と交わるための必然的な手段と見る。一方、宗教や社会思想のいくつかは、金銭欲を戒めてきた。しかし、金銭欲は人々を経済的に誇示する行動に駆り立ててきた。事実、1990年代のバブル、はてには昨今の企業不祥事などは人々の金銭欲がその発端であったことはまず間違いない。このように狂気のごとく社会に蔓延することが問題である。熱狂と夢から覚めたいまこそ、これまでの過ちを振り返り、己のエゴを見つめ、規律ある行動を取り戻さなければならない。