「選択アーキテクチャー」(choice archi-tecture)とは、人々が判断を下す際の状況に影響を与えるものをいい、これは、消費者の生活の至るところに存在している。

 たとえば、商品は特定の順序で陳列され、それが消費者の購買行動に影響を与える。過去の多くの研究では、「ナッジ」と呼ばれる選択アーキテクチャーのちょっとした調整によって、人々は自分の利益になるような決定に導かれることがわかっている。新たな研究では、このナッジが社会経済的な格差の是正にも有効であることが明らかになった。

 最初の研究では、社会経済的地位の異なる被験者825人にクレジットカードの支払いを全額にするか最低額にするか、退職金を拠出するかなど、経済的な判断事項を5つ提示した。被験者には無作為に、最良と最悪の選択肢のいずれかをデフォルトとして示した。