持続可能な消費への関心が高まる中、ファッション業界は厳しい批判にさらされている。専門家によると、ファッション業界は世界の二酸化炭素排出量の10%、排水量の20%を占める、世界最悪の汚染源の一つと見られている。新たな研究が、この悪評のダメージを軽減する意外な方法を発見した。消費者に高級品の購入を促すのだ。

 研究チームはまず、オンライン小売店から新品と中古の靴や財布4600点以上の販売データを抽出した。すると、高級品のほうが大衆品よりも中古品市場に多く出回っており、持続可能性の重要な指標である寿命は高級品のほうが長いという仮説が裏付けられた。後続の調査では、消費者は高級品に関してより持続可能な行動を取ることがわかった。より長く所有し、使用後には廃棄するのではなく、寄付したり、中古市場に転売したりする傾向があるのだ。

 さらなる研究では、一定の金額の使い道を検討している被験者は、高級品一点ではなく、一般商品を複数購入することを選ぶが、商品の耐久性について考えるよう促されると、高級品を選ぶ割合が有意に高くなった。実際、さまざまな商品属性の間で明確なトレードオフに迫られると、耐久性の重要度はスタイルに次いで高く、価格と同程度と評価された。