CEOに上り詰めるのに
最適なポジションは何か

 企業トップに就任する足がかりが変わりつつある。新任のCEOの大部分は、依然として内部昇格者だ。たとえば、2020年にはS&P500の新任CEOの77%が内部昇格者だった。20年前はCOOからの昇格が圧倒的で、その割合は76%に上ったが、現在は大幅に減少している。近い将来、事業部門長に追い抜かれる見込みだ。

 しかし、新たな研究によると、どちらのグループも傑出した結果を出す可能性は低いようだ。企業の業績を上位4分の1に導く可能性が最も高いのは、シニアバイスプレジデントやゼネラルマネジャーといった役職から昇格したリーダーだという。彼らはCクラスのエグゼクティブや事業部門長より1つ下のレベルの、言わば「飛び越し型CEO」だ。

戦略的優先事項の変化

 エグゼクティブの人材斡旋とリーダーシップコンサルティングのスペンサースチュアートの研究者らは、CEOに関する進行中の大規模調査の一環として、2000年以降のS&P500におけるすべてのCEOの継承について分析した。CEOに選出されるCOOの数が減少しているのは、戦略的優先事項の変化を反映していると研究者らは指摘する。