ESG報告書の問題点
2021年8月に発表された国際連合(UN)の「気候変動に関する政府間パネル」の報告書は、人間の活動を原因とする汚染により、熱波、豪雨、干ばつ、熱帯低気圧などの極端な事象が増加したと警告している。気候変動の主な原因は世界的な経済活動による温室効果ガス(GHG)の排出であり、大気中の二酸化炭素は産業革命以前の水準をすでに50%上回っている。
当然のことながら、企業は、投資家や各種環境保護団体、政治家、そして企業リーダー自身から、企業活動やサプライチェーン、物流チェーンにおけるGHGの排出量を削減するよう圧力を受けており、その勢いがますます高まっている。
これに応えて、米国で最大、かつ最もよく知られた企業を代表する財界ロビイスト「ビジネスラウンドテーブル」に所属する200人近いCEOは、「企業の目的」達成に取り組むとの共同声明を発表したが、この目標には環境パフォーマンスの向上が含まれている。