数々の調査が示すとおり、経営者も株式市場も無形資産投資の価値を正確に把握していない。ブランドやITへの投資、社員教育はもとより、R&D投資ですら、そうなのである。たいていの場合無形資産投資はコストとして処理される。しかし、収益を生み出す活動すべてが、無形資産投資を前提に成り立っており、このような会計処理は株価を歪めるだけでなく、誤った意思決定や資源配分を招く原因となっている。実際、過小評価や過大評価されている企業が多い。本稿は、無形資産の評価体系のあり方について、その基本フレームワークを提示する。