量子コンピュータの時代は近づきつつある

 1994年、数学者のピーター・ショアは、古典的なトランジスタコンピュータでは数十億年かかるような大きな数の素因数分解を数日に短縮する量子コンピュータを用いた、量子コンピューティングアルゴリズムを明らかにした。素因数分解は、現在多くの暗号技術や情報セキュリティの基盤であるため、これは大きなブレークスルーとなった。

 7年後、IBMの科学者たちは、このアルゴリズムを(極めて小型の)量子コンピュータ上で実証することに初めて成功し、量子コンピュータの実現とショアのアルゴリズムが実装可能であることを証明した。

 量子コンピュータは、古典コンピュータ(バイナリコンピュータ)に比べ、多くの問題を指数関数的に高速に、かつ低消費電力で解ける。