異動・昇進・転職後に
期待に沿う成果を出せるか

 昇進、新しい組織への異動、現在の仕事での新しい挑戦など、トランジション(役割の転換)はキャリアアップを大きく後押ししたり、活躍や成功のチャンスをもたらしたりする可能性がある。その際にやるべきは、自分の経験と才能をそのポジションに応用し、組織のヒエラルキー(自身の部下も含む)の中に受け入れてもらい、最初の数カ月でいくつかの大きな勝利をつかんで実力を証明することだ。

 しかし、コラボレーションが非常に重視される昨今の動的な職場環境では、どんなに有能で勤勉な人材であっても、変化をうまく乗り切ることは昔ほど容易ではない。マネジャーや従業員のトランジションの結果が、組織の期待を満たさないケースはあまりに多い。

 ガートナーの調査によると、社内で昇進した後、18カ月以内にパフォーマンスが基準に到達しない者は実に49%に上る。さらにマッキンゼー・アンド・カンパニーによると、トランジションをした企業幹部の27~46%が、2年後に失敗または期待はずれと評価されている。