誰しも会議など嫌いであろう。その通り、たいていの会議は時間の無駄である。そして、会議はけっしてなくならないのも事実だ。したがって、会議をよりよいものにすることはリーダーの責務である。ただ時間の短縮を図ればよいのではなく、もっと効率化し秩序化しなければならない。そして、あえて言わせてもらえば、会議は楽しめるものにすべきなのだ。
職場における幸福は重要である。多くの人は起きている時間のほとんどをそこで過ごしているのだから、当然であろう。幸福ではない状態──慢性的ないら立ち、不満、仕事への強い嫌悪感など──は望ましいはずがない。
ダニエル・ゴールマンは『EQリーダーシップ』(日本経済新聞出版)の中で、ネガティブな感情は、協働はもとより創造性とイノベーションをも阻害すると述べている。そう、現実を認めよう──会議は総じていまだに、協働、創造性、イノベーションが多く生じる場なのだ[注1]。会議が機能しなければ、なすべきことが遂行できなくなる可能性が高まる。