アクティビスト・ヘッジファンドが企業を標的にした場合、CSR(企業の社会的責任)活動が平均25%近く抑制されることが研究で明らかになっている。そのようなヘッジファンドの関心は通常、短期的な利益であり、持続可能性の取り組みはその目標に反するものと考えられている。新たな研究で、CSR活動が高水準にある企業は、最初に標的にされる可能性が高いことが示された。

 研究者らは、2000~16年にアクティビスト・ヘッジファンドの標的となった米国企業506社と、似たような企業なのに標的となっていない1106社を特定。会計、財務、投資家の保有データ、決算説明会の議事録、CSRスコアを分析し、企業規模や所有構造などの変数をコントロールした。

 その結果、企業のCSRスコアが高いほど、標的にされる確率が高いことがわかった。たとえば、持続可能性のスコアが平均より2標準偏差以上高い企業は、平均的なスコアの企業に比べて、標的にされる確率が約2倍高かった。