残念な出来事の中から良い面を探すことでウェルビーイングが高まることはよく知られている。しかし、研究者らは考えた。「悪い知らせが届く『前』に、良い面を探したらどうなるか」

 4つの研究で、重要な知らせを待つ間に、良い結果が出なかった場合のプラス面を考えると、失望感をうまく処理できることがわかった。最初の研究では、ロースクールを卒業したばかりの150人を対象に、司法試験に落ちた場合の、人間的な成長などプラスの影響をどの程度考えているかを調査した。不合格だった人は、「先んじて恩恵を見つけること」で、悪い結果を受け取った時によりポジティブな感情を抱き、結果を待つ間もネガティブな感情が少なかった。

 その後の研究で、選挙や健康リスクの評価に対する人々の予想と反応を調べたところ、おおむね同様の結果が得られた。良い面を探すのは「知らせが届く前であっても有益だ」と研究者らは記している。「待つ間の感情的なウェルビーイングを高め、悪い知らせのショックを和らげ、良い知らせに対する喜びを常に損なうことはない」