学びの成果を確かめるには
検定・試験の利用も

 まず学び始める内容の指針は「DXリテラシー標準」で示されているが、ビジネスパーソンに必要なデジタルリテラシーの道筋を整理する取り組みも始まっている。

「IPAと、一般社団法人データサイエンティスト協会、一般社団法人日本ディープラーニング協会は、IT・データサイエンス・AIの3方面からのデジタルリテラシー向上を目指して、2021年にデジタルリテラシー協議会を設立しています。『全員』に、『全体』をという方針の下、すべてのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーを『Di‐Lite』(ディーライト)と定義し、その習得のために、各団体が実施する検定や試験の受験を推奨しています」(高橋氏)

 現在、IPAはIT・ソフトウェア領域の知識を確かめる「ITパスポート試験」、データサイエンティスト協会は数理・データサイエンス領域の「データサイエンティスト検定」、日本ディープラーニング協会はAI・ディープラーニング領域の「G検定」を実施しているが、この3検定の受験の推奨に留まらず、同協議会の主旨に賛同する企業・団体を募り、産業界全体でのデジタル人材育成の加速を進める。

 このほか、IPAは海外に比べて「学びの意欲」が低いIT人材の意識変革を支援するため、2022年6月に「大人の学びパターン・ランゲージ」(略称・まなパタ)を公開した。学び続けている実践者にインタビューを行い、その考え方や工夫から700以上のコツを抽出し、それを30のパターンに凝縮したものだ。

 高橋氏は、「学び方のヒントとして制作しました。10月に開催する、「大人の学び」を主テーマとしたウェビナーでも、スキル変革調査の結果とともに紹介します。デジタルリテラシーの向上にも役立ちますので是非、ご参加下さい」と語った。

■お問い合わせ
独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター 人材プラットフォーム部
東京都文京区本駒込2-28-8文京グリーンコートセンターオフィス16階
E-mail:ikc-sx@ipa.go.jp
URL:https://www.ipa.go.jp/ikc/our_activities/sx/index.html
学習プログラムのポータルサイト「マナビDX」
URL:https://manabi-dx.ipa.go.jp/
<10月開催イベント「デジタル時代のスキル変革ウェビナー2022 ~自律した「学び」が個人と組織の成長を促す~>
ビジネスパーソンの「学び」始め・続けるヒントを、パターン・ランゲージの第一人者である井庭崇氏のほか、実践されている方々の体験談を交えてご紹介!
開催日:2022年10月11日(火)
時間:15:30-17:45
URL: https://www.ipa.go.jp/ikc/seminar/20221011.html