データ戦略の
最適なアプローチとは何か
いずれの企業もデータの力を認識してはいるものの、ほとんどの企業がその潜在能力を十分に引き出せないでいる。データ技術が予測不可能な方向に進化し、新しいタイプのデータが出現し、データ量も増加し続ける中、問題なのは、データに投資することにより短期的な価値の提供とともに、急速に伸びる将来用途のための基礎を築かなければならないということだ。
以下の2つのグローバル企業の経験は、現在の一般的なデータ戦略が、こうした課題に対処するうえでいかに非効率的であるかを物語っている。
1社目は、アジア太平洋地域の大手銀行で、分析開発チームとデータのエンドユーザーのニーズを一挙に満たせるとして、大幅な改革をいきなり始めるという「ビッグバン」アプローチを取った。同行は、ビジネスのユースケースに沿った取り組みにあまり時間をかけることなく、システム内のすべてのデータを抽出、クリーニングして、クラウド上のデータレイクに集約するパイプラインを構築する大規模なプログラムを開始した。