工業化の進んだ国のサービス・セクターは、過去4分の3世紀にわたって上り調子一本だった。アメリカでは、最近の15年だけをみても、農業従事者を除いて、物の製造に関与しない労働力が52%も増えたのに対して、物の製造に従事する労働力は38%しか増えていない。
アメリカのGNPに占める、いわゆるサービス・セクターの構成比の増加ぶりに言及することも重複のそしりを招くくらいのものだ。この増加の原因が、政府や学区その他の公共部門の従業者数の増加だけにあるのではない。もっともこれら市民公共部門の従業者数は、過去15年間に148%も増えたことはまちがいない。
現実には、もっとすごい正体を隠したサービス・セクターが存在しているのである――呼名では“製造業”といわれる企業において、購入前および購入後の顧客サービスに投入される費用および収入がばく大な額に増えつづけている。いわく、システム・プランニング、機器設置前の援助、“ソフトウエア”、修理、保全、配達、集金経理事務など、形は千差万別である。