本稿が発表された1963年当時、アメリカ企業のR&D費は膨れ上がる一方にあった。その当時もいまも、R&Dの費用対効果の判断はつきにくく、適切なマネジメントは難しい。ドラッカーは、研究すること自体に意味を置く姿勢を批判し、研究はコストもしくは投資であり、成果が不確実なものだからこそマネジメントが最も重要な分野であると主張した。本稿でドラッカーは、企業がR&Dをめぐって陥っていた12の誤謬を挙げ、検証する。