年間売上高が10億ドルをこえる、さる大手の産業用機器メーカーの社長は、自社の業績に頭を痛めていた。

 売上高が伸びていない。いくつかの主要事業部では市場占有率が下がってきている。利益は少ないし、今後これが改善される兆候はない。事業部ごとに年間のマーケティング計画が立案されていたし、マーケティング担当のトップがいて、マーケティング情報も集めていたにもかかわらずである。しかもセールスマンも十分教育されていて、やる気満々であったのにである。社長はマーケティング担当の副社長を呼んで口をきった。

「マーケティング的観点からいって、各事業部をどのように評価したらよいと思うかね。現在の販売実績をとやかくいっているのではない。そうではなくて、私は今の販売実績が、市場の動きに密着したマ-ケティング政策をとった結果かどうかを知りたいのだよ。事業部ごとにマーケティング面からみて、得点をつけてくれないかね。あのボンクラ事業部どもが、これから先2~3年の間に、マーケティング活動の効果を高めるための計画がほしいのだ。来年には、どの事業部も成績が上がったというところをみせてもらいたいものだね」