「何事によらず新しい体制を導入することほど、実施に困難が伴い、成功がおぼつかなく、また取扱いの危険なものはないと考えなければならない。[参考文献1]」
1973年に米国カンファレンス・ボードは13名の著名な権威者を動員して、今後20年間に予想される経営上の大きな問題点は何か、を予測させたことがある。その結果出てきた各報告の中で、一貫して強調されている最も大きなテーマのひとつは、各組織が環境の変化に適応できる能力があるかどうかに関する懸念であった。ある権威者の答は次の通りだった。
「変化のスピードが速くなる結果、組織再編成の必要性が増大するだろう。組織の再編成は、現状の破壊であり、各自の仕事に関する既得権への挑戦であり、定まった仕事の進め方を覆すものであるから、通常恐れられる。以上の理由で、組織の再編成が必要であるにもかかわらず、しばしば手遅れとなり、その結果効果は薄れ、費用はかさむことになる[参考文献2]」――。