仕事における緊張感の多くは人間関係から生まれる
仕事を始めたばかりの頃、私が就いた上司は、気難しいと評判の人だった。その上司をエリーズと呼ぶことにする。エリーズと働くのは大変だよと多くの人から注意されたが、私ならやっていけると思った。誰とでも仲よくできるのが自慢だったし、人を怒らせるようなこともなかった。誰であっても、その人の一番よい面を見出すことができた。
しかし2カ月後には、いつでも辞めてやろうという気持ちになっていた。
エリーズは、平日も長時間、休日も返上で働き、自分のチームメンバーにも同じ仕事ぶりを求めた。1日でこなせるであろうと彼女が考える仕事量は、途方もなかった。前日の夕方6時に何かを依頼して、翌朝の8時半にでき上がりをチェックすることも多かった。私の前でチームメートをこき下ろし、彼らの労働に対する倫理観や会社へのコミットメントに疑問を投げかけた。同僚の日程表をつぶさに調べて、会議が一件も入っていない日なのに、どうしてほとんど何もできてないのかと指摘した。