-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
10年以上にもわたるリストラクチャリングとダウンサイジングにもかかわらず、アメリカ企業の多くはいまだ1990年代における事業運営の態勢が整っていない。急速な技術変化と、かつてないほど短期化した製品サイクルのときでありながら、製品開発の歩みは多くの場合遅々たるものである。顧客の時代にありながら、受注処理の失敗率は高く、顧客からの照会が何週間も放置されている。資産活用が決定的に重要な時期に、在庫水準は需要を何カ月も上回っている。
業績を飛躍的に改善させるためのおなじみの方法である合理化と自動化も、企業側が望むほどに劇的な改善を実現していない。特に情報技術に対する大規模な投資は、企業がこの技術を旧態依然たる業務遂行方法の機械化に用いていることが主たる理由で、不本意な結果に終わっている。彼らは既存のプロセスに手をつけないまま、単純にその速度を上げるためにコンピュータを用いている。
だが、プロセスのスピードアップは、成果の面での根本的な欠陥を改善するうえでは役に立たない。我々の職務設計、作業フロー、管理制度、組織構造の多くは、異なった競争環境の時代の産物であり、コンピュータの出現以前のものなのである。これらは効率と管理を目的につくられた。しかるに新たな10年間の規範となるのはイノベーションと迅速性、サービスと品質なのである。