マインドフルネスが職場に与える効果はよく知られている。集中力を高め、燃え尽き症候群を減少させることなどが、研究でも明らかになっている。新たな研究によると、マインドフルネスを短時間実践するだけで交渉がうまくいき、当事者がより望ましい合意に至るのを助け、ウイン・ウインの結果につながるという。
一つの研究では、被験者は買い手と売り手のペアに無作為に分けられ、工業プラントの売却価格についての模擬交渉を行った。価格には当初、800万ドルの差があった。半数のペアが短時間のマインドフルネスのセッションから始めると、800万ドルを折半する確率が他のペアより3.5倍以上高かった。
別の研究では、半数のペアがマインドフルネスのセッションを受け、ククイナッツ3000個について、一方は殻(アクセサリー用)だけを、他方は実(食用)だけを望むと仮定して、どう分けるかを決定した(典型的な交渉の学習法である)。それぞれがナッツ1500個を丸ごと受け取るのではなく、双方が3000個すべての希望する部分だけを受け取る「統合的合意」に達する可能性が、マインドフルネスを実践したペアは他のペアに比べて3倍以上高かった。