毎年、何千ものIT系スタートアップが大企業に買収されているが、それは技術面、経営面での主要な人材の獲得が動機であることが多い。しかし、新しい研究で、こうした思惑は外れるおそれがあることが明らかになった。
研究者らは、1995~2010年にベンチャーキャピタルの支援を受けたスタートアップを買収、または合併した米国企業すべてのリストを作成。また、公開されている3000万人以上の履歴書のデータセットをつくり、それらのスタートアップのいずれかに買収時に雇用されていた6万人以上を特定した。そして、同じ年に親会社が組織的に雇用した従業員の中で、職務、地位、経験など、複数の特性において買収された従業員とよく似た対照群を構築した。
買収後の分析では、組織的に採用された従業員は平均2.3年後に退社したのに対し、買収された従業員はわずか1.6年で退社していた。