サステナビリティ戦略を策定するフレームワーク

 ほぼ毎日のように、企業が続々と新しい持続可能性(サステナビリティ)に関する公約を発表したり、人や地球に対する自社の貢献について広告キャンペーンを展開したりしている。そうした取り組みの多くにおいて重視されているのは、レガシー市場や隣接市場で製品やオペレーションのサステナビリティを高めることか、より多様な製品群で新規市場を開拓してサステナビリティ向上を実現させることだ。

 これは、ほとんどの経営幹部にとって馴染み深い「どこで勝負するか、どうすれば勝てるか」という古典的な戦略の変形版といえる。しかし、ブランドが積極的に顧客とパートナーになって継続的なインパクトを実現するという、サステナビリティにおける重要な新境地を切り拓いているリーダーはほとんど見当たらない。

 本稿では、市場と顧客エンゲージメントという2つの切り口を念頭に置いてサステナビリティ戦略を策定するための実践的なフレームワークについて説明する。このモデルは、160億ドル規模の消費財メーカーであるレキットベンキーザー(ライゾール、エアーウィック、フィニッシュなど健康衛生用品ブランドのポートフォリオを保有)と議論する中で開発したもので、レガシー企業がサステナビリティの取り組みで成長を促進できるようにする4つの主要な方法を示している。