自動車やカメラやオーブントースターを買うとその製品の作動を保証した保証書がついてくる。しかし、車の修理、結婚式の記念写真あるいは夕食の出前に保証書がついてくるだろうか。まずないと言っていい。けれどもこのようなサービスの購入においてこそ、保証をつけることが重要に思える。

 多くの企業経営者は、当然サービスには保証ができないものと思い込んでいる。サービスは一般的に、機械よりも予測がつきにくい人間によって行われる。しかも、サービスは通常、供給と同時に消費される。お客さんが手を触れる前に検査をして、修理のために工場に戻すことができるようなカメラの保証とは話が違うのである。車のチェーンアップの具合を事前に検査したり、不調に終わった法律上の係争や気に入らない散髪のやり直しはどうしたらよいのだろうか。明らかに、できない相談だろう。

 しかし、それが客の満足を保証できないということにはならない。マイアミを拠点とするS.C. ジョンソン&サンが、株主の害虫獣駆除会社「バグズ・バーガー害虫獣退治社」(BBBK)の提供する保証制度を見てみよう。

 BBBK社の競争相手の多くは、害虫を「納得のいくレベル」まで駆除するとしているが、同社は完全に退治することを約束する。ホテルやレストランなどの顧客に対して、次のような保証をしている。

■建物内から害虫獣が根絶するまで、びた一文もいただきません。

■BBBK社のサービスにご満足いただけないときには、最高12カ月分にさかのぼって料金を払い戻し、さらに翌年お客様がお選びになった当社以外の駆除会社の料金をお支払いします。

■貴店のお客様が建物内で害虫を見つけたときには、そのお客様の飲食代、宿泊代をBBBK社がお支払いし、謝罪状を送り、次のお食事、または宿泊1回分もお支払いいたします。

■貴店がゴキブリ、ネズミなどにより営業停止となった場合には、BBBK社はすべての罰金並びに損害に加えて5000ドルをお支払いします。