女性はいまや、S&P500企業の経営幹部の約4人に1人を占める(CEOはごくわずかだが)。このことは企業の財務成績にとってどのような意味を持つのだろうか。新しい研究で、女性幹部は男性幹部よりも顧客との関係を重視し、それが長期的な業績を向上させていることが示された。

 研究者らは、2007~2015年のフォーチュン500のうち、上場企業389社を調査。経営幹部チームにおける女性の影響力を測定するため、次の4つの要因を考慮した。チーム内で女性が就いている役職の割合、女性メンバーの最高役職、女性メンバー全員の役職、女性メンバーの担当職務の数である。

 また、各企業の年次報告書に記載されている顧客志向の言葉の割合を算出し、トービンのq(企業の市場価値を資本の再取得価格で割ったもの)を用いて、長期的な財務成績を評価した。女性の影響力が強いほど、企業の顧客志向とトービンのqは高くなる。