「7歳の頃には母とキッチンに立っていました。そして13歳で見習いになりました」

 両親が小さなレストランを営んでいたジャック・ペパンは、食への情熱に駆り立てられながら成長した。パリで修業し、3人のフランス大統領の専属シェフを務めた後、米国に渡り、レストランのシェフや経営者として、またPBS(米国公共放送サービス)で長寿の料理番組を持つテレビパーソナリティとして名声を得た。Art of the Chicken[注]など多数の料理本を執筆し、画家の顔も持つ。

HBR(以下太字):なぜ米国に渡ったのでしょうか。

ペパン(以下略):移住するつもりはありませんでした。「1年か2年、米国に行って英語を学びたい」と言ったのです。それが60年前。物事は少しずつ積み重なっていきます。小さな決断が大きな決断になりました。人生はそういうものです。ある決断があなたをどこかに連れていき、また次の決断をする。衝動的な瞬間もあるでしょう。