中国企業のDEDAアプローチ

 中国企業は長年、その優れた製造能力と、直近ではイノベーションに対する実用的アプローチで高く評価されてきた。筆者らが「デジタルで強化された誘導型自律性」(DEDA)と呼ぶアプローチによって中国企業が経営管理の役割を再発明していることにも、そろそろ気づくべき時だ。

 DEDAでは、デジタルプラットフォームを使って、現場の従業員が社内で共有されているリソースやケイパビリティに直接アクセスし、マネジャーを通さずに、特定の事業機会を中心にみずから組織的に活動できるようにしている。

 自律性は完全なものではなく、全員に与えられるわけでもない。それよりも、ピンポイントで必要とされる場所に向けられるものであり、従業員が各自の自律性を活かして何を行っているかを注意深く追跡していく。このアプローチは、監督を減らして、従業員に幅広い自律性を与える欧米のエンパワーメントモデルとは対照的だ。