急激な進歩による
恩恵と弊害
2004年に誕生したフェイスブックは、わずか4年半で1億人のユーザーを獲得した。その成長のスピードと規模は前代未聞だった。それが引き起こしうる問題に誰も気づかないうちに、このソーシャルメディアネットワークは巨大なモンスターと化していた。
2015年、ケンブリッジ・アナリティカの不祥事によって、このプラットフォームが一般市民のプライバシーの侵害に加担したこと、そして政治的な印象操作に使われる可能性を持つことが露見した。
ほぼ同時期に、ミャンマーではこのソーシャルネットワークで虚偽情報が拡散され、同国の少数民族ロヒンギャに対する暴力が呼びかけられて、2016年にジェノサイド(民族大量虐殺)が始まるに至った。2021年の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によれば、2012年にフェイスブックが買収したインスタグラムは、同アプリがティーンエージャーの女性のメンタルヘルスに害を及ぼすことを、独自調査を通じて把握していたという。