「世界で最も倫理的な会社」のインテグリティ
柴田 社員のWillと会社のMustを一致させるために、どのような工夫をしていますか。
森本 まずは、採用です。当社のコアバリューに共感してもらえるかどうかを、採用基準として最も重視しています。これは新卒でも中途でも、スペシャリスト採用でもすべて同じです。
素晴らしい経歴を持った人や営業としてすごく実績を上げられそうな人だとしても、アフラックのコアバリューに共感できないのであれば採用はしませんし、仮に採用したとしても長続きしないと思います。
次に、先ほど申し上げたパーソナライズ化された人財育成です。部門型人財マネジメントでは、社員の自発的な意思に基づく「キャリア開発計画書」への取り組みを推進していますが、その中で社員が自身のパーパスやビジョンを棚卸しし、上司との対話による支援を受けたり、さまざまな機会・制度を活用したりしながら、会社のMustと主体的なWillを一致させていく努力をしています。
機会・制度の一例を挙げると、人財マネジメント制度において、役員から一般社員まで約1400ある職務記述書を職務グレードとともにすべて公開しています。これは採用、評価、ジョブ・ポスティング(社内人財公募制度)などのベースとなるほか、社員が目指したいキャリアを考えるうえでも非常に参考になります。
また、私もそうでしたが、日々の業務で、お客様とのやり取りや上司・先輩の考え方や行動に触れて、自然に自分のWillが会社のMustに一致してくるようになることもあります。実は、それが一番大きいかもしれません。
柴田 私が御社の経営陣と接して思ったのは、誰もが誠実で何よりも礼を重んじていらっしゃるということです。言わばインテグリティ(高潔さ)のようなものを感じます。
森本 それはとても嬉しい評価です。コアバリューには、企業理念やブランドプロミスのように日本の市場環境に合わせて独自に設定したものもありますが、創業の想いやアフラック・ウェイのように米国の持ち株会社と共通するものもあります。
「インテグリティ」を精神的な核の一つに持つアフラック・ウェイを当社の日常業務における行動規範に落とし込んだものとして「行動倫理憲章」があります。この行動倫理憲章の中で、インテグリティは「私たちは、すべての業務において誠実に行動します」と定めています。その意味で、まずコアバリューの実践に誠実であることが何より大事だと思っています。
また、役員は社員にとってのロールモデルでなければなりませんので、役員の登用や採用において、人としてのインテグリティは最も重要な要素だと考えます。
柴田 なるほど。米国のシンクタンク、エシスフィアが「世界で最も倫理的な会社」の一つとして、アフラックを2023年まで17年連続で選出しているのも頷ける気がします。
コーン・フェリー・ジャパン株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館14階
https://www.kornferry.com/ja