デジタルを使ったビジネス・トランスフォーメーションが重要

桑野 私たちがKARTEを世に送り出した翌年、2016年から御社とはお付き合いがあり、柴田さんがおっしゃっていたように社員の方々のポテンシャルの高さ、お客様にいい体験を提供したいという強い思いは、かねがね感じていました。柴田さんが着任されて、デジタル戦略のビジョンを明確に示されたことで、皆さんの力が一つの方向に結集されて、組織としての推進力にぐっとドライブがかかった気がします。

 この先、デジタルストアヘッドとして柴田さんがチャレンジしたいことは何ですか。

柴田 米国や欧州のQVCと比べると、日本はデジタルストアよりテレビショッピングの売上げがまだまだ大きいのですが、これは消費者のデジタルシフトが欧米のほうが進んでいるだけでなく、QVCのテレビショッピングがお客様にとっての魅力を伸ばし続けているからだと思います。

 テレビショッピングの番組をご覧になるお客様は、自分が知らなかった商品の発見や新しいストーリーとの出会いを求めています。一般的なeコマースを利用される場合は、豊富な商品の中から最もお買い得な商品を探し出すというのが大きな目的の一つですが、テレビショッピングは発見や出会いといった体験の要素が大きく、QVCはそのニーズに応え続けることができているのだと考えています。

 その魅力をデジタルで拡張していくことが、当社にとってのチャレンジであり、そのためにまずは会社全体のデジタルアップスキリングを進めていきたいと思っています。PLAID ALPHAのメンバーのような外部の専門家と一緒になってデジタルとデータを活用した取り組みを推進して、アップスキリングと小さな成功体験を積み重ねていった先に、QVCとして従来とは異なる未来が見えてくるはずです。

 リアル店舗とeコマースのオムニチャネル化はかなり進んできましたが、テレビショッピングとデジタルストアのオムニチャネル化はまだ世界的にも例がないはずで、チャレンジしがいのあるテーマです。

濵﨑 実際のプロダクトとデータを使って一緒にデジタルマーケティング活動を進めていく中で、我々が持っている知識や経験を御社の社員の方々にお伝えし、血肉にしていただくことは十分可能です。そのためにも、両社のメンバーがワンチームとして同じ目標に向かっていく体制を大事にしていきたいと思います。

桑野 「プロダクトとヒト」のハイブリッドモデルで私たちが実現したいのは、究極的には顧客企業のグロースです。そのためには、デジタル・トランスフォーメーションというよりも、デジタルを使ったビジネス・トランスフォーメーションが重要で、私たちはビジネス・トランスフォーメーションのパートナーでありたいと思っています。

 QVCのトランスフォーメーションとグロースのために、私たち自身も変革を続けていきます。

柴田 レベルの差はあれ、どの企業にとってもトランスフォーメーションは大きな命題であり、困難を伴うミッションでもあると思います。仲間と一緒にそれをどう遂行していくかが、ビジネスパーソンとしての腕の見せどころであり、仕事の面白みでもあります。

 たとえ互いに顔を知らなくても、同じ志を持った仲間がいるのは心強いものですし、励みにもなります。私自身、誰かにとってのそうした仲間の一人でありたいと思っています。トランスフォーメーションに取り組むすべての人に、一緒に頑張りましょうとこの場を借りてメッセージを送りたいですね。

 

※プレイドでは、データ経営を促進する組織論やデータマネジメントの成功事例をテーマとするカンファレンス「WHY DATA?」を開催します。QVCジャパンの柴田規成氏のほか、豊富な知見と実績を持つプロフェッショナルの方々が登壇します。

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