GE(General Electric):効率経営を継承し、「有機的成長」を目指す
シーメンス(Siemens):GE流経営とドイツの価値観の融合
IBM(IBM):ポスト「ガースナー改革」のビジョン
ネスレ(Nestlé):漸進的進化のマネジメント
UPS(United Parcel Service):伝統的大企業の自己変革
マテル(Mattel):「現場を歩き回る」経営
モトローラ(Motorola):技術志向と顧客志向のジレンマ
リーバイ・ストラウス(Levi Strauss & Co.):価値観の経営
セムコ(Grupo Semco):自由奔放のマネジメント
海爾集団(Haier Group):現場主義の経営

GE(General Electric)
効率経営を継承し「有機的成長」を目指す

General Electric
1889年設立の世界最大のコングロマリット。電気機器、発電事業、航空機エンジン、素地産業、宇宙開発、金融事業など幅広い分野で事業を展開している。1981年に取締役会会長に就任したジャック・ウェルチの飽くなき変革の意志とそれを引き継いだジェフリー R. イメルトの成長を志向する戦略により「最強の企業」と称されている。

1|ウェルチ
「シンプル、スピード、自信」の経営

ジャック・ウェルチ(Jack Welch)
ゼネラル・エレクトリック 前会長兼CEO

20年間GEの変革をリードし続けたジャック・ウェルチの経営哲学を示したCEO就任9年目のインタビュー。

ビジネス・リーダーに必要な率直さ

 ジャック・ウェルチは、1981年にゼネラル・エレクトリック(GE)取締役会会長兼CEOに就任して以来、その変革をリードし、世界最大のコングロマリットに成長させた。

 このインタビューは、89年にミシガン大学教授のノール・ティシーとコンサルタントのラム・チャランが行ったもので、ウェルチの経営哲学がよく示されている。なおティシーは、リーダーシップ研究の権威であるが、GEのコンサルタントでもあり、ウェルチのよき相談相手でもあった。

HBR(以下色文字):優れたマネジャーをかたちづくるものは何ですか。

ウェルチ(以下略):私は、マネジャーというより、ビジネス・リーダーという言葉を使うのが好きです。優れたビジネス・リーダーは、ビジョンを創造し、それを明確に表現し、情熱を持って自分のものとします。そしてその完成に向かってまっしぐらに進んでいくのです。