企業のニーズに合わせた人材を育成

　アイシンクは、こうしたプロジェクトマネジャー教育・研修プログラムのほぼ９割をカスタムメイドで提供している。求められているプロジェクトマネジャーの資質や能力は、業種や企業によって異なるからだ。

「まず、それぞれの企業が求めているプロジェクトマネジャーのコンピテンシーを言語化し、それに沿って教育・研修を受けてもらう人材の選抜や、カリキュラムの策定を行います。要求される能力のレベルにもよりますが、通常の業務を行いながら、８カ月程度で『自律型プロジェクトマネジャー』を養成できるプログラムを提供しています」と伊藤氏は説明する。

　企業を取り巻く外部環境や内部環境が複雑化する中で、変革や課題解決のために取り組むべきプロジェクトの数も増えている。

　多くの企業にとっての問題は、増え続けるプロジェクトのマネジメントを一任できる人材が限られていることだ。

　そのため、アイシンクが提供するプロジェクトマネジャー教育・研修プログラムに対するニーズはここ数年、飛躍的に高まっているという。

　伊藤氏は、「いままでに経験したことのない未知のリスクに対応できる人材とか、従来とは異なるグローバルな調達先を効果的にマネジメントできる人材、社内だけでなく、海外も含めて社外との合同プロジェクトを成功させられる人材など、具体的な目的を挙げてプロジェクトマネジャーの養成を希望する企業が増えています。当社は、あらゆるケースに合わせたプログラムの策定や、経験豊富な講師の派遣ができるので、気軽にご相談いただきたいですね」と語る。

　優秀な人材が自然発生的に生まれるのを待っていては、増え続ける課題に対応できるプロジェクトマネジャーは確保できない。積極的に育て上げ、輩出することが、不確実な時代に生き残るための条件といえそうだ。