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ボートを揺らしながら自分は水に落ちない方法
マネジャーというものは、いつの時点にか、良心の呵責を感じるようになるものだ。
組織内では当たり前とされ暗黙の了解となっている考え方(利害、慣行、価値観など)が、ひどく旧式であったり不公平であったりすることがある。
そんな時、マネジャーは、「間違っている」と感じながらも、同時に「何とかしなければならない」という衝動にかられてしまうものだ。
ある企業のバイス・プレジデントは、白人以外の社員に対して昇進の機会を増やすべきだと思い続けている。
新規に採用したMBA(経営学修士)取得者があまりにも酷使されているため、家族が寂しがっているのではないかと気をもんでいるコンサルティング・ファームのパートナーもいる。
別の会社のシニア・マネジャーは、会社があと少し余分にコストを負担するだけで、環境にやさしい会社になれるはずだと考えている。
しかし、このような改善を進めようとする者の前には、概してどうしようもないジレンマが立ちふさがる。あまりにも声高に訴えると、自分が恨みを買うことになる。かといって、周囲の状況に合わせて黙っているだけでは、自責の念が鬱積してしまう。