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BOP対象のビジネスにチャンスはあるのか
BOP(bottom of the pyramid:経済ピラミッドの底辺にいる低所得者層)でのビジネスチャンスに魅力を感じながらも、飛び込むのを躊躇している企業は少なくない。市場規模は大きいうえ、さかんに喧伝されてもいるが、1日数ドルで生活しているBOP層を対象に、相当規模の事業を構築した多国籍企業は稀である。企業には、この市場で利益を上げるのは困難だという認識があり、その裏づけもある。
通信や一般消費財、製薬業界などの一部の成功例を除き、グローバル企業は総じて、貧困層の消費者にとっての適正水準までコストや価格を下げることができずにいる。我々の調査によれば、貧困層を対象に事業を展開し、アフリカで10万人以上、あるいはインドで100万人以上の顧客を獲得している企業はごく少数である。
たとえば、プロクター・アンド・ギャンブルは、BOP市場向けの浄水剤〈ピュア〉に1000万ドル以上を投資してきたが、結局のところ、購入率は5%をかろうじて超える程度だったため、製品を社会貢献部門に移さざるをえなかった。