戦略が頓挫している時、リーダーが確認すべき3つの条件
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サマリー:優れた戦略を立てても、実行の準備が整っていなければ組織変革は頓挫する。変革を成功に導くカギは、成果への責任を持つ「意欲」、実行を支える組織の「キャパシティ」、業務に必要な「スキルセット」という準備態勢の3要素にある。戦略を確実に成果へつなげるには、実行前にこれらを見極め、不足を整えることが欠かせない。本稿では、変革を成功させるために事前に構築すべき「準備態勢の3要素」とその実践方法について解説する。

3つの準備態勢が整っているか

 筆者が関わってきた企業リーダーのほとんどは、戦略立案に真に優れていた。市場データを集め、トレードオフを議論し、仮説を徹底的に検証し、財務予測を精査して全体像を明確にする。そのプロセスから生まれる決定は、通常、堅実だ。

 そして会議は終了する。リーダーたちは自信を持って会議室を後にする。ところが、異なる現実が少しずつ支配的になってくる。

 戦略会議では明確な道筋が見えていたイニシアティブが、障害にぶつかりはじめる。初期の節目が未達成に終わる。チームが責任の所在を追及するにつれ、会議が増える。優先事項が衝突する。かつては当然と思われていた進捗が、いまでは想定以上に多くの調整を必要とするようになる。

 2021年のマッキンゼー・グローバル・サーベイによると、組織変革のうち、業績の向上と変革の長期的維持の両方に成功しているのは3分の1以下であることがわかった。この割合は過去15年間、変わっていない。ボストン コンサルティング グループ(BCG)の調査でも同様の数字が示された。大規模な変革のうち、期待される価値を実現できるのは30%程度だというのだ。ほぼどのケースでも重要なのは、決定の内容ではなかった。確実な実行に必要な3つの条件が構築されたかどうか、だった。

 筆者はこれを、「準備態勢の3要素」と呼んでいる。

・意欲:すなわち結果を出すことに心から打ち込み、それをみずからのこととして経験するレベル。

・キャパシティ:すなわち変革の作業を維持するのに必要な処理能力、集中力、そしてレジリエンスをシステムがどのくらい備えているか。

・スキルセット:すなわち現在の能力が、その作業の実際の要求(書面上の役割ではなく、業務そのもの)にどのくらい合致しているか。

 筆者は、それぞれのシナリオを何度も目にしてきた。あるプロフェッショナルサービス会社は、現実的な市場の論理に基づくクロスセリングイニシアティブに着手したものの、担当パートナーが実行に移さなかったため、3カ月で頓挫してしまった。あるテクノロジー企業は、誰もがすでに始めるべきだと考えていたプラットフォームのアップデートを承認したが、エンジニアリングチームが、すでに2つのプログラムで手一杯だったため、3年の歳月を要した。ある成長段階にあるヘルスケア企業は、最も優秀な臨床ディレクターを、経営幹部に昇格させたが(本人としては初の経営部門だった)、それから半年間、なぜ実行のスピードが落ちたのか頭を悩ませることになった。